AI社員は自分で作るべきか、
任せるべきか

AI社員の作り方を解説する動画や、無料のテンプレートが増えています。自分で作れるなら、依頼する必要はあるのか。この記事では、いま22の業務をAI社員で運用している当社の経験をもとに、自作が止まりやすい場所と、判断の目安を書きます。

前提:AI社員は自分でも作れる

先に結論の半分を書きます。AI社員は、自分で作れます。AIエージェントのツールは月額数千円から使え、作り方の解説やテンプレートも無料で手に入ります。1人で事業をしている方や、自分の仕事を自分で自動化したい方は、自作から始めるのが合理的です。

当社では、いま22の業務をAI社員で運用しています。その運用と、中小企業の導入をお手伝いしてきた経験から、自作が止まりやすい場所がどこにあるかを順に書きます。

自作が止まりやすい4つの場所

(1) 作れるが、業務の棚卸しが進まない

ツールの操作より先に、「どの業務を、どの手順で任せるか」を言葉にする必要があります。ここは技術ではなく業務整理の仕事で、日々の仕事をしながら自分でやるのがいちばん難しい部分です。テンプレートのAI社員を入れても、自社の手順が入っていなければ一般的な答えしか返ってきません。

(2) 動いたが、任せきれない

出力が毎回少しずつ違い、結局すべて人が見直している。この状態は、AI社員に点検の手順と合格の基準を持たせていないときに起きます。「何をもって完了とするか」を業務ごとに決めて持たせると、見直しの量が変わります。

(3) 作った人しか直せない

作った本人が忙しくなると、直されないまま使われなくなります。会社の仕組みとして残すには、設計書と運用マニュアルが要ります。自分用に作ったものを、ほかの社員が使える形にするところで、もう一段の手間がかかります。

(4) 動いていると思ったら止まっていた

自動で動かしている処理は、止まっても音がしません。連携しているツールの仕様が変わった、認証の期限が切れた、といった理由で止まり、数週間たってから気づくことがあります。「自動化した」と「動いている」は別です。止まったら知らせる仕組みと、定期的に確かめる担当を決めておかないと、静かに止まります。

  1. 1棚卸しが進まないどの業務を、どの手順で任せるかを言葉にできない
  2. 2任せきれない合格の基準がなく、結局すべて人が見直している
  3. 3作った人しか直せない設計書とマニュアルがなく、引き継げない
  4. 4止まっていた止まったことに、誰も気づかない

どれもツールの操作ではなく、業務整理と運用の問題です。

図:AI社員の自作が止まりやすい4つの場所

自作と依頼、どちらが向いているか

判断の軸自作が向いている依頼が向いている
使う人作った本人だけ複数の社員、または引き継ぎが発生する
任せる業務自分の頭の中に手順がある業務部署をまたぐ業務、人によってやり方が違う業務
かけられる時間試行錯誤の時間を取れる本業で手一杯で、整理の時間が取れない
扱う情報自分の判断で扱える情報顧客情報など、権限の設計が要る情報
止まったときの影響自分が困るだけで済むお客様や他部署に影響が出る
目安は1つです。「作った本人以外が使うか」。使うなら、手順・権限・点検・監視を会社の仕組みとして設計する必要があり、そこが依頼する価値の出る部分です。

作った本人以外が、そのAI社員を使いますか?

いいえ

自作が向いている

自分の頭の中に手順があり、止まっても困るのは自分だけ。試行錯誤しながら育てられます。

はい

依頼が向いている

手順・権限・点検・監視を、会社の仕組みとして設計する必要があります。

図:自作か依頼かの目安は1つ。「作った本人以外が使うかどうか」

現実的な進め方:自作と依頼を組み合わせる

どちらか一方に決める必要はありません。次の順番が、無理のない進め方です。

  1. まず自分で1つ作ってみる:何ができて何が難しいかが、体感で分かります。
  2. 会社として任せたい業務を決める:自分用の便利な道具と、会社の業務を受け持つAI社員を分けて考えます。
  3. 会社の業務の部分を依頼する:業務の棚卸し、権限の設計、点検の手順、文書化を含めて構築します。
  4. 運用しながら、社内で足せるようにする:設計書と運用マニュアルがあれば、次の役割は社内で足していけます。
  1. 1自分で1つ作る何ができて、何が難しいかを体感する
  2. 2任せたい業務を決める自分用の道具と、会社の業務を分ける
  3. 3会社の業務を依頼する棚卸し・権限・点検・文書化まで含める
  4. 4社内で足していく設計書とマニュアルをもとに役割を追加
図:自作と依頼を組み合わせる進め方

当社のAI社員派遣では、AI社員本体に加えて、設計書・業務フロー図・運用マニュアルなど6点の文書をお渡しします。依頼したあとも当社に頼りきりにならず、社内で直して足せる状態にするためです。内容はAI社員派遣のページにまとめています。

依頼する前に確かめたい5つのこと

  • 業務の棚卸しから一緒にやってくれるか(ツールの設定だけで終わらないか)
  • AI社員に任せる範囲と、人が持つ範囲を明確に分けてくれるか
  • 設計書やマニュアルが、文書として手元に残るか
  • その会社自身が、自社の業務でAI社員を運用しているか
  • 導入後に止まったとき・うまく動かないときの対応が決まっているか

AI社員という言葉の整理はAI社員とは?を、導入時に最初に決めることは最初に決める3つのことをご覧ください。

よくある質問

プログラミングができなくてもAI社員は作れますか?

簡単なものは作れます。いまのAIエージェントのツールは、日本語で指示すれば動きます。難しいのは操作よりも、自社の業務の手順を言葉にして持たせる部分です。

無料のテンプレートを使えば十分ではありませんか?

自分の仕事を自分で楽にする目的なら、十分に役立ちます。会社の業務を受け持たせる場合は、自社の手順、触らせる情報の範囲、点検の基準を足す必要があり、そこはテンプレートには入っていません。

一度自作したものを、あとから整えてもらうことはできますか?

できます。自作で動いているものがあると、業務の手順がすでに言葉になっているので、設計が早く進みます。無料相談で現状を見せていただければ、残すものと作り直すものを整理します。

「どの業務を任せるか」から一緒に決めます

PathForgeのAI社員派遣は、ツールを配るサービスではありません。業務の棚卸しから始めて、任せる業務を見極め、実際に動く状態まで構築します。サービス資料では、AI社員が担う工程と人が持つ工程の分け方、導入の進め方をまとめています。

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先に「自社の何を任せられるか」を確かめたい方は、シミュレーターをお使いください。業種と業務を選ぶだけで、任せられる業務の候補と削減できる時間が1分で出ます。

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横山 尚武

執筆

横山 尚武株式会社PathForge 代表取締役 兼 COO

不動産営業、ベンチャー企業の事業営業部長を経て2020年に起業。自社の業務をAI社員で運用しながら、中小企業の業務整理とAI社員の企画・導入設計、導入後の運用支援を担当。

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