AI社員にできること
任せられる業務の一覧と見分け方

AI社員に何を任せられるのか。導入を考えるとき、最初に知りたいのはここだと思います。この記事では、当社が自社の業務で実際にAI社員に任せているものを一覧にし、自社の業務が向いているかを見分ける方法を説明します。

結論:AI社員に向くのは「くり返す・手順がある・取り返しがつく」業務

AI社員に任せられるかどうかは、業種よりも業務の形で決まります。毎週・毎月くり返していて、手順を言葉にでき、間違えても人が確認して直せる業務は、ほぼ任せられます。反対に、その場で相手と向き合って決める仕事や、取り消せない操作は、人が持ち続けます。

以下は、当社(株式会社PathForge)が自社の業務で実際にAI社員に任せているものです。机上の例ではなく、毎日動いている業務から分類しました。

向いている

くり返す業務

  • 毎週・毎月、同じ形で発生する
  • 手順を言葉にできる
  • 間違えても人が直せる

材料を揃えるまで

判断が要る業務

  • 判断そのものは人が行う
  • 過去の記録や比較表を並べるのはAI社員
  • 決めやすい状態で渡す

人が持つ

取り消せない業務

  • 送信・契約・支払い・公開
  • 交渉・謝罪
  • 手順にない例外の確定
図:業務の形で見分ける。くり返す業務は任せ、取り消せない業務は人が持つ

AI社員に任せている業務の一覧(自社の実例)

分類任せている業務人がやること
営業の準備商談相手の会社の下調べ、提案資料のたたき台づくり、商談後の要点整理提案の中身を決める、商談で話す
会議と記録オンライン会議の文字起こしから議事録と次の行動を抜き出し、顧客ごとの記録に追記内容が合っているかを確かめる
日程と予定空いている日の候補出し、予約メールからカレンダーへの登録、会議URLの発行最終的に日程を決める
書類の下書き見積書・請求書の下書き、契約書の雛形への差し込みと電子署名サービスへの下書き保存金額と条件を確認し、送信ボタンを押す
問い合わせと連絡Webの問い合わせを台帳に記録して通知、チャットの返信漏れの一覧化返信の中身を決めて送る
経理の手前メールで届く領収書の保存と命名、月次の請求書の作成支払いと計上の判断
発信の準備業界ニュースの収集、SNS投稿や記事のネタ出しと下書き、動画のカットと字幕入れ公開するかを決める
見張り自動で動いている仕組みが止まっていないかの点検、異常があれば担当者に知らせる止まった原因に対処する

どの業務も、AI社員が進めるのは「確認待ちの下書き」までです。送信・契約・支払い・公開のボタンは人が押します。この線を最初に決めておくと、任せる範囲を広げても事故が起きにくくなります。

任せられるかを見分ける4つの質問

自社の業務がAI社員に向くかどうかは、次の4つで見分けられます。4つとも「はい」なら、最初に任せる業務の候補です。

  1. くり返しているか:月に何度も、同じ形で発生する業務か。
  2. 手順を言葉にできるか:新人に口頭で説明できる程度の手順があるか。
  3. 材料がデータで手元にあるか:メール・表・PDF・会議の録画など、読める形で揃っているか。
  4. 間違えても取り返しがつくか:人が確認してから外に出せる業務か。

AI社員に任せる

  • 資料や記録の整理
  • 下書き・たたき台の作成
  • 候補の洗い出し
  • 点検と一覧化
確認待ちの下書き

人が持つ

  • 会社としての判断
  • 相手との交渉・謝罪
  • 送信・契約・支払いの実行
  • 例外の扱いの確定
図:AI社員が進めるのは「確認待ちの下書き」まで。ここに線を引く

AI社員に任せないほうがよい業務

反対に、次のような業務は人が持ち続けます。AIの性能の問題ではなく、責任の置き場所の問題です。

  • 値引きや優先順位など、会社としての判断
  • 謝罪や交渉など、相手との関係に関わるやり取り
  • 送金・契約・公開など、取り消せない操作の実行
  • 手順にない例外を、どう扱うかの確定

ただし、これらの業務でも判断の材料を揃えるところまではAI社員に任せられます。たとえば値引きの判断そのものは人がしますが、過去の取引の一覧や、似た案件での対応の記録を並べるのはAI社員の仕事です。

業種別に見ると

業種ごとに、最初に任せやすい業務は少しずつ違います。不動産なら反響への返信の下書き、士業なら資料回収の催促文、製造なら受注情報の転記、といった具合です。業種別の型はAI社員派遣のサービスページの業種別の例にまとめています。

最初の1業務の選び方

最初は1業務に絞ります。候補が複数あるときは、かかっている時間が長く、失敗しても影響が小さいものから選びます。議事録や資料の転記は、この条件を満たしやすい業務です。1業務が安定したら、同じAI社員に次の役割を足していきます。進め方の全体は中小企業がAI社員を導入するとき、最初に決める3つのことで解説しています。

よくある質問

AI社員は電話対応もできますか?

電話そのものに出る仕組みも作れますが、中小企業の最初の1業務としてはおすすめしていません。まずは問い合わせメールへの返信の下書きや、電話のメモからの記録づくりなど、人が確認してから外に出せる業務から始めるほうが安定します。

経理の業務はどこまで任せられますか?

領収書の保存と整理、請求書や見積書の下書き、入金の突き合わせの一覧づくりまでは任せられます。支払いの実行と、勘定科目などの最終判断は人が行います。

社内にしかない情報でも扱えますか?

扱えます。ただし、どの情報をAI社員に読ませるかは、構築の前に書面で取り決めます。扱う範囲を業務に必要なものだけに絞るのが基本です。

「どの業務を任せるか」から一緒に決めます

PathForgeのAI社員派遣は、業務の棚卸しから始めて、任せる業務を見極め、実際に動く状態まで構築します。サービス資料では、進め方と費用の考え方をまとめています。

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横山 尚武

執筆

横山 尚武株式会社PathForge 代表取締役 兼 COO

不動産営業、ベンチャー企業の事業営業部長を経て2020年に起業。自社の業務をAI社員で運用しながら、中小企業の業務整理とAI社員の企画・導入設計、導入後の運用支援を担当。

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