AI社員が定着しない会社に
共通する5つのこと

AIを入れたのに、気づけば誰も使っていない。そんな声をよく聞きます。この記事では、自社で22の業務をAI社員に任せてきた経験から、定着しない会社に共通する5つのことと、続いている会社がやっていることを書きます。

結論:止まる原因は、AIの性能より「持ち主がいない」こと

AI社員を入れたのに、数か月後には誰も使っていない。こうしたご相談は珍しくありません。当社が自社で22の業務をAI社員に任せてきた経験と、導入を支援してきた経験から言えるのは、定着しない原因の多くはAIの性能ではないということです。

多くの場合、原因は次の5つのどれかに当てはまります。

  1. 1業務が決まっていない使うかどうかが各社員しだい
  2. 2合格の基準がない結局すべて人が見直す
  3. 3指摘が消える翌月も同じ誤りが出る
  4. 4面倒を見る人がいない誰も出力を見なくなる
  5. 5止まっても気づかない数週間後に発覚する

どれもAIの性能ではなく、業務の決め方と運用の問題です。

図:AI社員が定着しない会社に共通する5つのこと

定着しない会社に共通する5つのこと

(1) 任せる業務が決まっていない

「何かに使えるはず」と導入すると、使うかどうかの判断が各社員に委ねられます。忙しい人ほど慣れたやり方に戻り、いつの間にか使われなくなります。「この業務はAI社員の担当」と先に決めることが出発点です。

(2) 合格の基準がない

出力を見るたびに、見る人によって「これで良い」「これでは駄目」が変わる状態です。基準が言葉になっていないと、結局すべて人が見直すことになり、手間が減りません。

(3) 指摘がその場で消えている

出力の誤りを人が直して終わりにすると、翌月も同じ誤りが出ます。直した内容をAI社員の手順書に書き足すところまでやらないと、いつまでも手がかかる担当のままです。

(4) 面倒を見る人がいない

導入を決めた人が別の仕事で手一杯になると、誰もAI社員の出力を見なくなります。人の新人に教育担当を付けるのと同じで、日々の出力を見る担当を1人決めておく必要があります。

(5) 止まっても気づかない

自動で動いている仕組みは、止まっても音がしません。連携先のツールの仕様変更や、ログインの期限切れで止まっていたことに、数週間たってから気づくことがあります。止まったら担当者に知らせる見張りを、最初から組み込んでおきます。

  1. 11業務を任せる
  2. 2出力を担当者が見る
  3. 3同じ指摘が3回出たら手順に書く
  4. 4確認の時間が減る

使うほど、自社の仕事に合っていく

図:定着している会社で回っている流れ

続いている会社がやっていること

定着している会社は、特別なツールを使っているわけではありません。やっていることは地味です。

  • 1業務から始める:最初から全社に広げず、1つの業務で「任せられた」という実感を作る
  • 確認の線を決める:AI社員は確認待ちの下書きまで。送信・契約・支払いは人が行う
  • 同じ指摘が3回出たら手順に書く:その場の修正で終わらせず、手順書を育てる
  • 数字で見る:任せた業務にかかっていた時間と、いまの確認時間を比べる

この4つが回り始めると、AI社員は使うほど自社の仕事に合っていきます。反対に、どれか1つでも抜けると、数か月で使われなくなる流れに戻りやすくなります。

導入前に確かめたいこと

これからAI社員を入れる場合は、始める前に次の3つを決めておくと、定着しない流れを避けやすくなります。

  1. 最初に任せる1業務と、その業務の合格の基準
  2. AI社員の出力を毎日見る担当者
  3. 止まったときに誰に知らせるか

自分で作る場合と、構築を任せる場合の分かれ目はAI社員は自分で作るべきか、任せるべきかで解説しています。当社のAI社員派遣では、この3つを決めるところから一緒に進めます。詳しくはAI社員派遣のサービスページをご覧ください。

よくある質問

ChatGPTを全社員に配ったのに使われていません。何が足りないのでしょうか。

多くの場合、「何に使うか」の判断が各社員に委ねられていることが原因です。業務の単位で「この業務はAIの担当」と決め、手順と確認の線を用意すると、使われ方が変わります。

AI社員の面倒を見る担当者は、専任でないといけませんか?

専任である必要はありません。その業務をよく知っている人が、1日に数分から十数分、出力を確認できれば十分です。確認して直した内容を手順に書き足すことが大切です。

一度使われなくなったAIを、立て直すことはできますか?

できます。まず任せる業務を1つに絞り直し、合格の基準と確認の担当者を決めてから再開します。以前の設定や手順が残っていれば、それを土台に作り直せます。

「どの業務を任せるか」から一緒に決めます

PathForgeのAI社員派遣は、業務の棚卸しから始めて、任せる業務を見極め、実際に動く状態まで構築します。サービス資料では、進め方と費用の考え方をまとめています。

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横山 尚武

執筆

横山 尚武株式会社PathForge 代表取締役 兼 COO

不動産営業、ベンチャー企業の事業営業部長を経て2020年に起業。自社の業務をAI社員で運用しながら、中小企業の業務整理とAI社員の企画・導入設計、導入後の運用支援を担当。

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